
風邪
かぜとは?
かぜとは、鼻やのどがウイルスや細菌に感染することで炎症を起こした状態で、正式には「かぜ症候群」といわれます。
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、発熱、倦怠感、頭痛、食欲の低下といった症状があらわれます。
鼻やのど以外に、消化器がウイルスに感染し、嘔吐や下痢、腹痛などの症状を伴う場合「感冒性胃腸炎」「お腹のかぜ」といわれることもあります。
主なウイルスと感染経路
かぜの原因の約90%はウイルス感染といわれており、かぜの症状を引き起こすウイルスは、200種類以上あります。
同じ種類のウイルスでもいくつかの型があったり、年々変異を繰り返したりするため、一度感染したウイルスに対する免疫ができたとしても、別のウイルスに感染することで繰り返しかぜをひいてしまう人もいます。
かぜをひきおこす主なウイルス
ライノウイルス
かぜの原因の約30%~40%を占めるウイルスで、幅広い年齢で感染しやすいといわれています。主に鼻粘膜への感染が多く、鼻水、鼻づまりなどの鼻症状を引き起こします。
コロナウイルス
冬に感染が流行しやすいウイルスです。ライノウイルスの次に多い、かぜの症状を引き起こす原因となるウイルスです。
RSウイルス
特に冬に流行しやすいといわれていましたが、近年では7月頃から感染者数が増加する傾向もあり、年間を通じて流行しているウイルスの1つです。乳幼児が感染すると重症化する可能性もあります。
インフルエンザウイルス
一般のかぜよりも症状が重くなりやすいウイルスです。特に、乳幼児や高齢者は重症化する例もあり、注意すべきウイルスです。
感染経路
接触感染
接触感染とは、感染者の分泌物(唾液・鼻水など)が付着した手で口・鼻・眼などを触り、ウイルスが体内に入ることで感染することです。ウイルスの感染経路として最も多いといわれています。
飛沫感染
かぜのウイルスに感染している人のせきやくしゃみで飛び散った飛沫を吸い込んでしまうことで、鼻やのどの粘膜にウイルスが付着して、感染してしまうことです。
かぜの予防
一般的なかぜを引き起こすウイルスは200種類以上存在するため、予防するためのワクチンなどはありません。そのため、日頃の生活習慣としてかぜを引き起こすウイルスに感染しない取り組みを行うことが大切です。
正しい手洗いうがい
正しい手洗いをすることで、手についたウイルスの数は0.0001%まで減らすことができるといわれています。ハンドソープをつけてから15秒以上手をこすりあわせることが理想です。
また、うがいは水を口に含んで口をすすぐ「ブクブク」うがいと、上を向いて行う「ガラガラ」うがいを組み合わせて行うとよいでしょう。
免疫力を高める
免疫力を高めるためには、バランスの取れた食事をとったり、しっかり睡眠をとったりして、規則正しい生活をすることが大切です。ビタミンAや抗酸化ビタミン、ミネラルを多く含む食材を積極的に摂りましょう。
温度と湿度を調節する
室温20度~25度、湿度60%~80%がウイルスが増殖しにくい理想の環境です。
夏は、室内外の温度差によって免疫力が下がってしまうため、エアコンを強くかけすぎないよう注意しましょう。
かぜの治療
かぜのひきはじめにできること
かぜのひきはじめには、十分な休養をとることが最も重要です。
無理をせずにしっかり睡眠をとり、栄養のある食事と水分補給を意識しましょう。
季節に関わらず、体を温めることも大切です。
かぜの治療
かぜは自然にしていても徐々に改善していきますが、様々な症状がある場合や症状が重い場合はお薬を用いた治療を行います。
受診のめやす
咳・鼻水・くしゃみ・痰などのかぜの症状が出た場合、「放っておいてもなんとかなりそうだけど、病院に行ってもいいのかな」と悩みますよね。
辛い症状や気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。
また、以下のような症状がある場合は、早めに受診をお願いします。
- 激しい咳が出る
- 2週間以上咳が続く
- 膿のような鼻水が出る
- のどの痛みが強く食事や水分補給が困難
- 3日以上熱が続く
- 高熱がある
- 症状が強く眠れない
症状が長く続く場合や、症状が強い場合はかぜ以外の病気が原因の可能性もあるため、早期に適切な診断と治療を受ける必要があります。