
生活習慣病
生活習慣病とは?
生活習慣病とは、食べ過ぎや慢性的な運動不足、またこれらによる肥満など、生活の乱れが原因で発症する慢性疾患の総称です。
表的なものとして、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症(痛風)などがあります。
生活習慣病の初期はいずれも症状を自覚することが難しいため、気づかないうちに進行し、命に係わる重大な疾患を引き起こすことがあります。
ここでは、代表的な生活習慣病についてお伝えします。
高血圧
高血圧とは
高血圧は、本態性高血圧と二次性高血圧に大きく分けることができます。
本態性高血圧
一般的な高血圧は、本態性高血圧を指します。発症には生活習慣が深く関わっており、ストレス、疲労、塩分の摂りすぎ、肥満、運動不足などが原因となります。
また、加齢、遺伝的な要因も発症に関係する考えられています。
二次性高血圧
血圧を高くする明らかな原因を特定できる高血圧を指します。腎性高血圧やホルモン異常による高血圧などがあります。
高血圧は多くの場合自覚症状はありませんが、高血圧が持続すると動脈硬化、さらには脳卒中や心筋梗塞などの重篤な病気に繋がる可能性があります。
高血圧の治療
規則正しい生活習慣を整えること
高血圧の多くは日々の生活の乱れが原因となっています。適度な運動や塩分を控えた食事、禁煙、適正体重の維持などを心がけましょう。
除圧剤を用いた血圧の管理
生活習慣の改善を行っても高血圧が解消されない場合は、アンギオテンシン変換酵素阻害薬やカルシウム拮抗薬などの除圧剤を用いることがあります。
脂質異常症(高脂血症)
脂質異常症とは?)
高脂血症は血液中の脂質成分である「悪玉(LDL)コレステロールが140mg/dL以上」または「中性脂肪が150㎎/dL以上」と高い状態になっていることを指す病気です。
高脂血症は脂質異常症と呼ばれる病気の中の一つの形で、脂質異常症は血液中の脂肪分(LDL/HDLコレステロールや中性脂肪)が基準値から外れた状態をいいます。
脂質異常症の原因の多くは生活習慣病の乱れによるものです。
他にも、体質的な要因で発症する原発性脂質異常症や、糖尿病などの他の病気や服用している薬などの影響により引き起こされる二次性(続発性)脂質異常症もあります。
脂質異常症は自覚症状として現れないことが多いですが、そのまま放置していると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの病気を引き起こしやすくなります。
また、中性脂肪の値が高いと脂肪肝や急性膵炎などの病気のリスクが高まるので要注意です。
脂質異常症の治療
脂質異常症の治療では、まずは生活習慣を改善することが大切です。
脂質異常症を引き起こしている原因に応じて、それぞれ効果的な生活習慣改善の方法が変わってきます。
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高い方
飽和脂肪酸の摂りすぎが主な原因です。
飽和脂肪酸とは、肉の脂身やバター・ラード、生クリーム、カカオの油脂などに多く含まれます。
また、インスタント食品にも含まれますので、これらの食品を摂りすぎないよう注意が必要です。
中性脂肪が高い方
エネルギー量の摂りすぎ、特に甘いものやアルコール、脂肪・糖質の摂取過多が主な原因です。
これらの摂取を控え、運動や体重の減量などを合わせて取り入れることで中性脂肪を下げることができます。
HDLコレステロール(善玉コレステロール)が低い方
肥満や喫煙、運動不足が主な原因です。
適度な運動や禁煙、適正体重のコントロールなどを取り入れることでHDLコレステロール値の向上が見込めます。
先に述べたように脂質異常症を放置していると、動脈硬化が発生しやすくなります。動脈硬化により脳出血や狭心症、脳梗塞など様々な重篤な病気のリスクが高まりますので、日ごろから脂肪異常症を予防することが大切です。
食事や運動療法がどうしても困難な場合や効果が見られない場合にコレステロール値を下げる薬(スタチン系薬)や、中性脂肪の値を下げる薬(フィブラート系薬・エイコサペンタエン酸)を服用して治療していきます。
高尿酸血症
高尿酸血症とは
血中の尿酸値が6mg/dL以上の場合、高尿酸血症といわれます。
尿酸値があがる原因
尿酸値は食事や飲酒量に密接にかかわっています。
アルコールは摂取量が多いほど痛風になりやすいので節酒が肝心ですが、プリン体が少ないアルコールでも量が多くなると尿酸値に悪影響を与えるので注意が必要です。
肉類や糖分の多い飲み物をよく摂取する人も痛風になりやすいです。
尿酸は尿や便から排出されますが、うまく排出されず体内に蓄積されると尿酸値が高くなり、高尿酸血症と診断されます。
高尿酸血症は初期には自覚症状がないことが多いですが、痛風や痛風結節、腎障害、尿路結石の原因となったり、動脈硬化の危険因子にもなります。
高尿酸血症の治療
高尿酸血症の治療で大切なことは食事と運動です。
まず食事とアルコールの量を減らし、プリン体(ビール・鶏卵・魚卵・肉・魚などに多く含まれる)の摂取が多い人はそれらを控え、野菜を多くとるようにしましょう。また、尿や便で排出しやすくなるように水分を多くとることも大切です。
ウォーキングやおしゃべりしながら走れる程度のジョギングなど軽い有酸素性運動を行うことも大切です。
過度な運動や筋トレなどの無酸素性運動を行うと、尿酸が産生されやすくなり、尿酸値が上昇してしまいます。尿酸値が高い場合には、適度な運動を心がけるようにしましょう。
痛風になると・・・
高尿酸血症により起こる病気の痛風は、名前の通り「風が吹くだけでも痛みを感じる」病気です。
歩くことも困難になることもあるため、予防に努めることが大切です。
痛みが強い場合は、鎮痛薬や炎症を抑える薬を使用したり、尿酸の生成を抑えたり、排出を促す薬で治療していくこともあります。
心筋梗塞
心筋梗塞は、生活習慣病である高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙などが原因で引き起こされる動脈硬化によって、心臓の血管が詰まってしまう病気です。
心筋梗塞の主な症状は、突然の強い胸の痛みや胸の圧迫感で、冷や汗や吐き気、嘔吐を伴うこともあります。
心筋梗塞の治療
心筋梗塞は急性の疾患であり、迅速な治療が必要です。
動脈硬化の危険因子である脂質異常症や高血圧、糖尿病などをきちんと治療すること、そして禁煙が欠かせません。
また、肥満やメタボリックシンドローム人は内臓脂肪減少を中心とした減少が大事です。