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肺がん

肺がんとは?

肺の組織と機能

肺は、左右の胸に1つずつあり、体の中に酸素を取り入れ、いらなくなった二酸化炭素を外に出す働きをしています。
空気の通り道である「気管」が、左右の肺に分かれる部分を「主気管支」といいます。
主気管支は肺の中でさらに何回も枝分かれし、その先端付近には肺胞という小さな袋がたくさんついています。
肺は、胸部をつくる壁で囲まれた胸腔という空間の中にあり、胸膜という薄い膜で覆われています。

肺がんとは?

肺がんは、気管支や肺胞の細胞が何等かの原因で「がん化」したものです。
肺がんが進行することで、がん細胞は周りの正常な組織を壊しながら増え、血液やリンパ液の流れにのって転移することもあります。
転移しやすい場所は、リンパ節・肺の中の他の部位・胸膜・骨・脳・肝臓・腎臓です。
肺がんは、非小胞肺がんと小胞肺がんに分けられ、肺がんの多くは非小胞肺がんです。
非小胞肺がんはさらに、腺がん・扁平上皮がん・大細胞がんの3つにわけられます。
非小胞肺がんと小胞肺がんは、がんの進行速度や治療法が異なるため、どちらの種類の肺がんに分類されるのか確認することがとても重要です。

肺がんの原因

肺がんの主な原因は、喫煙や大気汚染などの有害物質と考えられています。
これらの物質により、肺の細胞の遺伝子(DNA)に傷がつくことで、がんになることが多いです。
また、肺の細胞の遺伝子が自然に変異してがんになることもあります。

肺がんの症状

肺がんになったら必ずみられるという症状はなく、初期は多くの人は症状を自覚することができません。 肺がんが進行すると、以下のような症状がみられるようになります。

  • 咳が長引く
  • 痰、血の混ざった痰
  • 胸の痛み
  • 息切れ
  • 息がしにくい

肺がんが転移すると、ふらつき・背中の痛み・声のかすれ・疲れやすくなる・体重が減るなどの症状があらわれることもあります。
このように、風邪と似た症状のため見逃されてしまう可能性が高く、医療機関での定期的な検診等で偶然見つかることもあります。
そのため、肺がんの早期の発見のために、定期的に健康診断やがん検診を受けることがとても大切です。 また、以下の場合は早めに受診をお願いします。

また、以下の場合は早めに受診をお願いします

  • 原因がわからない咳や痰が2週間以上続く
  • 血が混ざった痰が出る
  • 発熱が5日以上続く
  • 日常生活で息切れしやすくなった
  • 息苦しさが続く

肺がんの検査・診断

肺がん検診や、自覚症状があって受診した場合、胸部レントゲン検査が行われることが多いです。
レントゲン検査とあわせて検診では、喫煙量が多い人など、肺がんのリスクが高い人に対して、喀痰細胞診(痰の中にがん細胞がないか調べる検査)が行われることもあります。
肺がんの可能性がある場合は、胸部CT検査が行われます。

当院では胸部CT検査が可能です

画像検査で異常がみとめられた場合は、肺から細胞や組織を採取する病理検査を行います
。 病理検査によって、肺がんかどうか・肺がんの種類がわかり、診断が確定します。
がんの経過を調べるときは、胸腹部の造影CTや脳のMRI検査、PET検査、骨シンチグラフィなどが行われます。(総合病院にて実施)

肺がんの治療

非小胞肺がんの治療

非小胞肺がんの治療の方針を立てる場合は、以下のことを調べます。

ステージ(Ⅰ~Ⅳ)

どのステージに当てはまるかということは、治療方針を考える上で重要です。

がんの性質


腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんなどの組織型を調べます。
また、異常がある遺伝子に対応するお薬を検討します。

体の状態

今後の治療に体が耐えられるかどうかを総合的に判断します。

上記を総合的に判断し、治療方針が決められます。
治療は、主に手術・放射線治療・薬物治療です。
比較的早期の非小胞肺がんの治療の中心は手術で、再発予防のため術後に薬物療法を継続的して行うこともあります。
また、体の状態から手術が難しい場合は、放射線治療を行うこともあります。
がんが進行していて、手術では完全に切除できない場合で、放射線治療による効果が期待できる場合は、放射線治療が選択され、体の状態が良ければ薬物療法も平行して行われます。
最も進行した状態では、治療は薬物療法が中心になります。

小胞肺がんの治療

小胞肺がんの場合も、非小胞肺がんと同様にまずは、がんのステージ・がんの性質・体の状態を調べます。

進行の早い小胞肺がんは、発見時にはすでに転移していることが多いため、治療の中心は薬物療法です。(ごく早期に発見された場合は、手術を行うこともあります)
がんが肺から離れた場所まで転移している場合は、薬物療法を行い、がんが肺の中のリンパ節の転移までにとどまっている場合は、薬物療法と放射線治療が併用されます。
小胞肺がんで使用するお薬は、「細胞障害性抗がん薬」と「免疫チェックポイント阻害薬」に大きくわけられます。

細胞障害性抗がん薬

細胞の増殖の仕組みの一部を邪魔することで、がん細胞を攻撃するお薬です。 正常な細胞も影響を受けます。

免疫チェックポイント阻害薬

免疫ががん細胞を攻撃する力を維持するお薬です。

肺炎の治療

研究では、がん全般を予防するためには

  • 禁煙(受動喫煙も避ける)
  • 節度のある飲酒
  • バランスのとれた食事
  • 適度な運動
  • 適正体重・体形の維持
  • 感染症の予防

が重要であるとわかってきています。

また、がんの早期発見・早期治療のためには、がん検診を受けることが大切です。
ほとんどの市町村では、40歳以上の方のがん検診の費用の多くを公費で負担しているため、少ない自己負担額で検診をうけることが出来ます。