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肺炎

肺炎とは?

肺炎の症状は、風邪とよく似ているため症状から、肺炎か風邪かを見分けることは難しいですが、2つは全く異なる病気です。
風邪は、主にのどや鼻といった上気道にウイルスや細菌が感染して炎症をおこしている病気です。
それに対して肺炎とは、肺がウイルスや細菌に感染することで炎症を起こしている病気です。
このように、風邪と肺炎は別の病気ですが、上気道の炎症によりウイルスや細菌が肺に屋入りやすくなるため、風邪が肺炎の引き金になることがよくあります。

また、肺炎の中には感染性ではない間質性肺炎等もあります。
間質性肺炎とは、肺を支える役割を担っている「間質」を中心に炎症をきたす病気の総称です。 炎症の原因が不明であり、一般的な肺炎とは異なる症状や経過を示し、治療も困難です。

肺炎の症状

肺炎の主な症状として

  • 発熱(多くは38度以上の高熱)
  • 痰(黄色や緑色)
  • 息切れ
  • 胸の痛み

などがあります。

ただし高齢者の場合、肺炎の典型的な症状がはっきりあらわれないこともあります。
また、症状が重篤で入院になった場合、高齢であるほど予後不良となるケースが多いとされています。
肺炎は治る病気というイメージがあるかもしれませんが、日本人の死因としては上位にはいる病気です。
免疫が低下している方や高齢者では、肺炎によって命を落とすことも少なくないのです。
高齢者でなくとも、気になる症状がある場合は早めに受診をお願いします。

間質性肺炎の症状

間質性肺炎の主な症状として

  • 咳(多くは痰を伴わない)
  • 息切れ
  • 呼吸困難
  • 息切れ
  • 胸の痛み

などがあります。

息切れは、最初は階段や坂道を上るなどの軽い運動をしたときに息切れを感じる程度です。 病気が進行すると、呼吸不全の状態となるため着替えをするだけでも息切れがでることもあり、日常生活に支障をきたします。
症状の進行は間質性肺炎の種類によりますが、特殊な病態を除くと、息切れや咳などの症状が出始めて、日常生活に支障があるまでになるには、数年程度かかるといわれています。
原因不明の咳が続いている、日常生活での息切れを感じやすくなったなど、思い当たる症状がある場合は、早めに受診をお願いいたします。

肺炎の検査・診断

肺炎の検査

肺炎の症状がある場合、肺の炎症の有無を調べるためにまずは胸部のレントゲン検査を行います。 肺に炎症がある場合、レントゲンでは白く映ります。
場合によっては、他の病気ではないか調べるために胸部CT検査を行うこともあります。

当院では胸部CT検査が可能です

画像検査によって肺炎が疑われる場合は、喀痰検査を行って痰の中の原因となるウイルスや菌を調べたり、血液検査を行って白血球数や炎症反応を調べたりします。
他の感染症(インフルエンザ感染症や新型コロナウイルス感染症)が流行している場合は、鼻の奥をこすって検査を行うこともあります。
また、当院では1度の検査で8種類のウイルスと4種類の細菌を検出することができる、「スポットファイア」を実施しています。

間質性肺炎の検査

間質性肺炎が疑われる場合、画像検査と血液検査に加えて、呼吸機能検査を実施します。
呼吸機能検査では、肺のふくらみや酸素をとりこむ能力を調べ、症状の重症度を判定する際の目安にします。
また、内視鏡を口から気管支の中まで入れて、直接気管支や肺から細胞をとり、炎症の状態や炎症に関わっている細胞の種類・線維化の程度を調べる気管支鏡検査も実施されます。(原則として入院が必要です)

肺炎の治療

肺炎の治療は、お薬による治療と、ご自宅での安静・休養が主になります。

薬物療法

検査や肺炎の流行状況から、肺炎の原因となっているウイルスや細菌を特定し、抗生剤で病原体を抑えます。 的確な抗生剤の服用によって、症状は1週間前後で改善していきます。
ウイルス性肺炎の場合は、ステロイドが投与される場合があります。
また、対症療法として、痰を出やすくする薬や、咳を鎮める薬が処方されることもあります。

安静・休養

お薬での治療だけでなく、ご自宅で十分な休養を取ることもとても大切です。 身体を温かく保つこと、こまめに水分をとることを心がけましょう。

間質性肺炎の治療

薬物療法

間質性肺炎の場合、原因によって治療が変わりますが、治療の中心はステロイドの投与です。
副作用の問題もあるため、症状の進行が緩やかな場合は投与を行わず経過を見る場合もあります。
一般的な肺炎と同様に、咳や痰が多い場合は去痰剤や鎮咳剤が処方されることがあります。

酸素療法

症状が進行して血液中の酸素量が低下し、日常生活に支障をきたしている場合は、自宅に酸素濃縮器または液体酸素のタンクを設置して、鼻から酸素を吸入します。

肺炎の予防

肺炎の予防は、風邪やインフルエンザの予防と基本的には変わりません。

  • 外出後は手洗いうがいをする
  • こまめに換気をしてきれいな空気を保つ
  • よく触る場所は消毒して清潔にする

上記のことを心がけ、様々な感染症にかかることを防ぐことが最も重要です。